現代版ベーゴマとして子どもたちを魅了し続けているタカラトミー社の『ベイブレード』シリーズは1999年の誕生から2024年で25周年。初代『ベイブレード』シリーズを楽しんでいた世代は今や30代を過ぎ、親子でベイブレードを楽しむ家庭も多いのでは。
そんな中、シリーズ第4世代「BEYBLADE X(ベイブレード エックス)」が2023年7月に発売スタート。新ギミックが搭載された歴代最速の『ベイブレード』シリーズだ。
ベイブレード(コマ)についているギヤとスタジアム上のレールがかみ合うことで超加速を生み出すBEYBLADE Xの新ギミック「X(エクストリーム)ダッシュ」。
激しくぶつかることで、よりエキサイティングさを増した。単純にベイブレードをスタジアム内にシュートするフィジカル技術はもちろん、ベイブレード自体の構造を熟知しカスタマイズを試行錯誤することがこれまで以上に強く勝敗を左右することから、もはや遊びを超えて「ギアスポーツ」として進化を遂げている。
――6歳以上という対象年齢から、ベーゴマ世代の高齢の方まで、誰でもすぐにできるんです。いろんな人たちが対等に勝負できる。勝ち負けを経験しながら、子どもと同じ目線でコミュニケーションをとることができる。老若男女どんな人でもボーダレスで楽しめるというところが最大の魅力で、こんなに長く愛される理由だと思います。
(株)タカラトミー グローバルベイブレード事業部 堀川亮さん
こう話すのは(株)タカラトミーでベイブレードの企画開発・マーケティングを担当する堀川亮さん。国内のみならず海外80以上の国と地域で展開され多くのファンを集めている事実もベイブレードのボーダレスさを説得づけている。
現代の子どもたちにこそ意義のある、アナログバトルゲームとしてのベイブレードの魅力
また、デジタルゲームが台頭している現代、子どもたちがこのアナログなバトルゲームに触れる利点はまだまだある。
――ぱっと見て遊びが理解できるので、親が遊びに介入できるんです。「もっとこうシュートしたほうがいいんじゃないの?」「こんなカスタマイズがいいんじゃないの?」というコミュニケーションをとることができると、親子で魅力を共有できますよね。
確かに、デジタルゲームの細かな仕様は子から親に共有されにくく、夢中になる理由や気持ちを理解できない親が「もうやめなさい!」と子を叱るなど、短絡的にデジタルゲームが悪者になっている家庭は多いように感じる。子どもの日常にデジタルが定着している現代だからこそ、ベイブレードが持つコミュニケーションツールとしての側面は強く意味を持つ。
さらに、小学生時代は夢中になってベイブレードをやりつくしたという堀川さん自身が経験したこんな利点も。
――僕、高校時代は物理の成績がとても良くて。なぜかなと考えると、重心とか摩擦、どうしたらエネルギーが伝わるのかといったことを、すでにベイブレードを通して自然に学んでいたんです。他にも、部品の構造を知りそれらを組み換えながら、どうやったら長く回せるのかといった試行錯誤する力も養われていて。「何かを学ぼう!」という意識はないのに、結果的にしっかりと体験として落としこまれていた。デジタル領域を含め、たくさんの遊びを享受している現代の子どもたちには、このように楽しみながら何かを習得していってほしいですね。
熱量を注ぐという経験が、人生を豊かにする
自分自身がとことん夢中になったベイブレードを、現在は子どもたちに届けるために日々奮闘している堀川さん。どのような想いがあるのだろうか。
――子どもたちにベイブレードをずっとやりつづけて欲しいというわけじゃなくて、ただ「何かに夢中になる」という経験をしてほしいんです。はたから見たらめちゃくちゃ努力しているように見えても、その努力を本人が努力と思わないくらい夢中なものができると、それは続けられるし、しかも自ら自然とやっていることなので、それが生きていくための固いベースになる。それがあると、辛いことがあってもそんなに辛いと思わないんじゃないかなと。だから子どもたちには何かに熱中する経験をしてほしいんですよね。
好きなことが仕事になったことも、本人にとってはごくシームレスなことだという。
――仕事になったからどうだ、ということは特にないです。もちろん、おもちゃ売り場で子どもが親に向かって必死になってベイブレードの魅力を語っている場面や、何千人も集まっているイベントを目の当たりにすると、携わった人間として幸せに感じます。でも基本的には、「イエーイ!超楽しい!」と夢中になっていたおもちゃがそのまま仕事になって、引き続き「イエーイ!超楽しい!」という感覚。僕の中で、おもちゃに夢中である、ということについては終わりがないんです。だからこそ熱意が続いているんでしょうね。
2024年で25周年。進化するベイブレードを親子で楽しもう。
誰でもボーダレスに楽しめるのが最大の魅力。子どもたちに身近なバトルゲームとして、さらには様々なプレーヤーが参加する、公式のマスターズ大会や世界大会などを通して、今後も人々の中に介在するコミュニケーションツールを目指していくベイブレードシリーズ。
――もちろん僕らは安全性や商品としての面白さなどを一生懸命考えて作ってるんですが、とにかく楽しんでほしいです。ただやってもらえるだけで、シンプルにフィジカルを使う楽しさ、エキサイティングなバトル性や試行錯誤の醍醐味はもちろん、ベイブレードを通したコミュニケーションの有意義さを体験できると思います。親子でぜひ楽しんでほしいですね。
堀川亮さん プロフィール
1985年、宮城県生まれ。
企画・開発の部門にて、主に小学生向けホビーの商品企画開発やマーケティングを経験。「ベイブレード」や「ビーダマン」等のバトルホビーを中心にアニメ・漫画展開も交えたキャラクター商品、アミューズメントゲーム商品等10ブランド以上を担当。0→1の商品開発からマーケティング、様々な媒体でのプロモーション、イベント企画運営に至るまでトータルプロデュースが得意。現在は「BEYBLADE X」の企画開発・マーケティングを担当。
<おすすめ商品>
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希望小売価格:6,050円(税込)
特別カラーのベイブレード2個、ワインダーランチャー2個、スタジアムがセットになったすぐにバトルが始められるセットです。
公式ホームページ: beyblade.takaratomy.co.jp
©Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO
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