デジタルネイティブと言われる現代の子どもたちにとってはすっかりおなじみとなったデジタル学習。ICT教育が浸透している小学校以降の教育のみならず、幼児の学びにおいても、タブレットなどのデジタル機器が活用されています。
小学館の幼児教室 ドラキッズ では、2025年1月より新カリキュラムがスタートします。その中でも注目したいのが、新たに導入される「ひみつ道具大作戦」というデジタル学習アプリです。
この新教材をドラキッズと共同開発したのが、150か国で300万人以上のユーザーを持つ、思考力を育てる知育アプリ「Think!Think!(シンクシンク)」で知られるワンダーファイ株式会社。
今回はワンダーファイ株式会社代表の川島慶さんに、幼児期におけるデジタル学習のメリットや、この新教材についてお話を伺いました。
目次
デジタル時代だからこそ引き出したい、子どもたちが本来持つ「考える楽しさ」
――ワンダーファイさんには「世界中の子どもが本来持っている知的なわくわくを引き出す」という理念がありますね。
はい。これまで1万人以上の子どもたちを見てきたのですが、彼らはまず楽しく取り組んでみて、次に「できた!」という自信を持つようになると「もっとやりたい!」と思うようになります。このような、考えることを楽しむ力や粘り強さといったものは、すべての子どもたちがもともと持っているものだと確信していて、それらを引き出していきたい、ということです。
―こういった、考える楽しさや自信、意欲や粘り強さといった力は非認知能力として注目され続けていますよね。
長い歴史から考えると、考えることを楽しむ力や考えを深める力を発揮することで人類は発展してきたわけで、もともと人間にとって大切な力なんですよね。
指示通りに「訓練」することや「知識を習得」するといった知識量や正確さやスキルがAIや新技術によって簡単に再現されるようになった今だからこそ、人間らしい「思考力」が必要なのだと思います。
幼児期のデジタル学習が子どもに与えるメリット
――このようなデジタル学習アプリが普及しだしてしばらく経ちますが、いまだ幼児期のデジタル学習については、リアルな体験と対比されてしまうことが多い気がします。
確かに幼児期の子どもにデジタル機器を与えていいのかという疑念は今も払拭されてはないと思いますが、実際、一切デジタルに触れずに子育てをするのは難しいわけで、デジタルとの良い付き合い方を目指すことが大切かと思います。
――デジタル学習のメリットとして、習熟度や進度を個々にあわせられる適応性、採点などのフィードバックの即時性といったことが挙げられますが、特に幼児期においてはどのようなところにあると思いますか?
すぐにやってみせるのは大変なことを、簡単に疑似体験させられるという点です。例えば、立体を切ったり、料理をしたり、実験をしたり、デジタルで疑似体験することで、理解や興味をより深めることができます。
とは言え、幼児期にリアルなものに触れたり、体験をしたりするというのは非常に価値のあることだと思います。例えば、デジタルの実験コンテンツをきっかけに外遊びがより楽しくなる、というふうに、幼児期の体験をより濃密なものにできるといいですね。
楽しく試行錯誤しながら創造力と問題解決力を引き出す!「ドラえもんのひみつ道具大作戦」とは?
――ドラキッズの新カリキュラムの「ドラえもんのひみつ道具大作戦」は、与えられた道具を駆使して各ステージの課題をクリアしていく、というものですが、このコンセプトについて聞かせてください。
教育においては、将来何があっても困らないように、たくさんのスキルを身につけさせておくことはとても大事なことだとされがちですが、「これができたら絶対安泰!」というものは、時代とともにどんどん変わりますよね。何かひとつを極められたらいいかもしれませんがそれも難しい。じゃあ、困難に直面した状況で、とんちも含めて今あなたが持っているもので「なんとかする」ということを楽しんでほしい、という想いがあって。
――実際、仕事でも子育でもなんでも、その時に直面した状況を、自分が持っているもので乗り越えていかなくてはならないことばかりです。
その「今持っているものでなんとかする」という、考える本質を、ドラえもんのひみつ道具を使って疑似体験できる。「次は別の道具で」「じゃあ今回はこの道具で」「今度は道具をいくつか組み合わせてやってみよう」という風にできたら楽しいだろうな、ということで生まれた教材ですね。
「ドラえもんのひみつ道具大作戦」をぜひ教室で体験!
――「ドラえもんのひみつ道具大作戦」は、ドラキッズのclass3(年少クラス)以上に導入されます。この学習アプリが、それぞれのご家庭ではなく、あえてドラキッズの教室で展開される利点についてどう考えていますか?
ちょっとしたことで子どものやる気が全然変わるというのは小さいお子さんお持ちの方ならご存知だと思いますが、そういう意味でも、ドラえもんの世界に入り込めるドラキッズの教室で行う意味は非常に大きいと思いますし、その空間で同学齢のお友だちと一緒に取り組めるというのも魅力かと思います。
また、家庭だと、「こうやってみようかな」「それともこうかな」と、お子さんが考えることを最も楽しんでいる大事な段階で、おうちの方が「これはこうでしょう」と過度に干渉してしまうことも。この教材の良さを引き出すコツを知っているプロの先生にお任せすることで、存分に試行錯誤しながら論理的思考力を身につける事ができるでしょう。ぜひ教室で体験してみてほしいです。
川島慶さんプロフィール