毎年やってくる小学生の夏休み。旅行などの特別な体験をしたり、普段はできない過ごし方をしたいですね。
一方で、夏休みのような学校の長期休暇において最大の悩みのタネは「勉強」。学習スケジュールを立て規則正しく勉強するのが難しいという悩みは、特に小学生がいるご家庭では多いのではないでしょうか。今回は、小学生の夏休みの勉強のコツを、計画の立て方やお子さんのタイプ別の学習方法を中心にご紹介します。夏休みの勉強の参考にしてみてくださいね。
目次
夏休みの勉強はまず学習計画から
何事もまず計画から!夏休みの勉強においてもそれは同じです。
ただ、計画を立てても最後までやり遂げられない、ということを毎年繰り返してはいませんか?計画的にスケジュールを立てるにもポイントがあります。
大きな目標を決めよう
まずは夏休み、勉強するにあたって大きな目標を決めましょう。これは夏休みの終わりにお子さん自身が達成感を感じることができるようになるための大事なエッセンス。目標を立ててそれをクリアするということを毎年繰り返すことで、お子さんも毎年夏休みの過ごし方のコツが身についていくはずです。
夏休みは時間がたっぷりとあるので、苦手克服にもいい機会です。教科別に立てるのもおすすめですね。例えば下記は国語・算数の例です。
<国語の目標の例>
- 1学期に習った漢字を全部書けるようになる
- 国語の読解問題を毎日解く
- 慣用句を50個覚える
- 1日に3個ずつ慣用句を使って短文をつくる
- 本を1週間に1冊読む
<算数の目標の例>
- 2桁の割り算の計算をすぐ解けるようになる
- 多角形の面積を求める問題を完璧に解けるようになる
- 算数の文章題を毎日5問ずつ解く
- 毎日10題ずつ筆算の練習をする
そのほか、社会でも、都道府県名と位置を覚える、といった、普段時間がなくて取り組めてないことも夏休みを使えば十分達成できると思います。
このように、夏休みが終わったときに成果としてきちんと目に見えやすいゴールを設定しておくと、日々の勉強に対する意識やモチベーションにもぐっとハリがでます。
また、目標を立てる際のコツとして、お子さんの学年によって下記のことに注意してみてください。
<低学年>決めたことをスムーズにこなせるように、目標は具体的に立てる
<高学年>自分の判断で工夫したりアレンジできるように、ふんわりとした目標にする
実際の計画は、お子さんの様子を見ながらじっくり話し合って決めてくださいね。
夏休みの学習計画は無理なくたてよう
毎年学習計画を立てているものの、夏休みに入ってみたらうまくいかずにこなせない、という場合、計画自体に無理がある場合が多いです。
特に小学生の場合、プールや旅行、キャンプなど、家族イベントも多く、疲れなどから計画通りにこなせないことも。
夏休み全体で、イベントなどの日程をある程度決め、塾や習い事などのスケジュールも見ながら、そこからどのような学習計画が立てられるのかを考えましょう。
長期休暇における小学生の1日の家庭学習時間の目安としては、学校があるときの『学年×(10分)』の2~3倍と言われていますが、家庭環境やお子さんのタイプによって柔軟に対応することをおすすめします。
タイプを見極めて勉強の効果を最大に!学年別の夏休み学習ポイントも。
それでは、小学生のお子さんのタイプ別に、夏休みの勉強に効率的に取り組めるコツをいくつかご紹介していきます。
毎日コツコツ勉強できるタイプ
夏休みを4等分し、半分から4分の3までにすべての宿題とプラスアルファの学習を終えられるように計画すると、残った時間を夏休み明けの予習にあてることができます。次の単元の音読や漢字の練習などに取り組んでおくと、休み明けに向けたアイドリングになります。
このタイプのお子さんはがんばりすぎる傾向があるので、前半に飛ばしすぎないよう、おうちのかたがストッパーになってあげてくださいね。
声かけすれば勉強に取り組めるタイプ
遊んでいても心のどこかで「勉強しなくては!」という気持ちがかすめるお子さんに多いこのタイプ。
起床後、朝食の前に学習タイムを作って「ご飯の前に○○をやってしまおう!」と声をかけてあげてください。遊びに入る前なら雑念も少なく、はかどる可能性が高いです。そのあとは「なるべく午前中に今日の分の宿題を終えてしまおう!」と励まして1日の流れを作ってしまうとよいでしょう。
夕食後には、家族みんながそれぞれに読書を楽しむ時間や、日記などを書く時間を作ることをおすすめします。夏休みの「読書タイム」や「日記タイム」が習慣になれば秋以降も継続しましょう。国語力のアップにもつながります。
勉強が苦手…!夏休みはだらだらしがち…なタイプ
机の前に長時間座ることを苦痛に感じ、さらに勉強を敬遠するお子さんもいるので、苦手な気持ちが少しでも軽くなるように配慮して進めていきましょう。
まずは学校で出された宿題をすべて取り組むことに専念しましょう。
まず初めに、自由研究など、自分でテーマや提出方法を設定できるものは、ハードルをなるべく下げてお子さんが取り組みやすい方法で行えるように設定しておきます。途中でやる気が出たり、余裕ができたりした場合は後から内容を肉付けできます。このようなタイプの宿題は、別途取り組む時間を確保します。
次にそれ以外の全ての宿題を、お子さんにとって負荷の軽いものと重いものに分け、朝一番には重いもの、そのあと軽いものと重いものを組み合わせて取り組みましょう。
勉強を苦痛に感じないようにタイマーを使うのも効果的。
タイマーを20分ほどにセットし、時間が来たらいったん終了してリフレッシュ。学年にもよりますが、1日に4セットを目標に進めていきます。おうちのかたはお子さんのモチベーションが持続するようサポートしましょう。ところどころできちんと褒めることを忘れずに!
夏休みも習い事などが忙しくとにかく時間がないタイプ
高学年になると増えるのがこのタイプ。宿題全部を均等に分けてさらに細分化し、1週間分のスケジュールを立て、消化していく方法をお勧めします。
起床時から就寝時までを横軸に取り、30分ごとにラインを引いて、どこにどんな学習を入れると無理なく実行できるのか、小さく分けた宿題を当てはめていきましょう。
何もない日には時間のかかる作文系や自由研究などを組み込んでください。ゆとりのある流れを作って小さな学習時間を散りばめて進めることで焦りが生じにくく、淡々とこなしていくことができますよ。
<ご褒美を効果的に活用しましょう!>
どのタイプのお子さんも、予定通りに進んだ日はカレンダーにシールなどを貼っていくなど、プチご褒美を用意すると達成感が生まれます。言われなくても取り組めた日にはプチご褒美も2倍にするなどのボーナスは、モチベーション維持にも効果的。
お子さんによってモチベーションが上がるご褒美はさまざまかと思います。おうちの方とお子さんで相談して、可視化できるプチご褒美を決めましょう。
また、学年別に、夏休みに復習しておくとよい学習ポイントをご紹介します。
夏休みの学習ポイント
それぞれの学年の躓きポイントを中心に紹介していきますが、教科書によって進度が異なるので、基本的には1学期に習ったところでこなせてないところがないか、しっかり復習することを意識しましょう。
1年生
国語:ひらがなとかたかな、漢字(学校の進度による)のおさらい、音読
算数:繰り上がりのないたし算、繰り下がりのないひき算
特に算数では、繰り上がり・繰り下がりの計算で躓くお子さんが多いので、その前段階として計算カードなどを活用して、10以下の計算をすぐに答えられるレベルになるまでしっかりと練習しましょう。
2年生
国語:今までに習った漢字のおさらい、音読みと訓読みを合わせて練習
算数:繰り上がりと繰り下がりのマスター、筆算の練習、文章題(ひき算中心)
算数の文章題でひき算に力を入れる理由は、ひき算には、「残りを求める」「差を求める」「補う数を求める」といったように文章題の表現のパターンがたし算よりも多く、子どもたちが混乱する場合が多いからです。これらを繰り返し練習して理解できるようにしましょう。
3年生
国語:今までに習った漢字のおさらい、送り仮名と熟語の形で練習、部首のおさらい
算数:桁の多いたし算とひき算の筆算、かけ算の筆算、わり算、さまざまな文章題
注意したいのが筆算。3年生になると、計算が複雑になったり、お子さん自身の計算スピードが上がったりします。その際に起こりがちなのが桁そろえのミス。確実にそろえることを意識することで4年生以上で差がつきます。
4年生
国語:今までに習った漢字のおさらい、国語辞典の引き方のマスター
国語辞典は学校でもさらっと練習する程度なため、うろ覚えでマスターできていないことも。ぜひ夏休みの機会にゲーム感覚で繰り返し練習してみましょう。
算数:わり算の筆算、四捨五入、植木算などのひねりのある文章題
実は小学校の全学年を通して、1年間で習う算数の単元が最も多岐にわたるのが4年生!「なんとなくわかったつもり」が落とし穴になることも。また、ボリュームの多さに「算数嫌い!」という子が出てきやすい要注意の学年です。1学期に習ったことはしっかり復習して、余裕があればひねりのある文章題にチャレンジしましょう。
5年生
国語:今までに習った漢字のおさらい、同音異字を反復練習、敬語と指示語がなにを指すのか、などのおさらい
高学年になると、同音異字が一気に増えます。似た部首の漢字も増えるので、意味を意識しながら練習しましょう。
算数:面積の計算、小数の計算練習、特にわり算での小数点の移動
小数点がひとつずれるだけで不正解になる少数の計算。とてももったいないですよね。繰り返しトレーニングすることでしっかりものにしましょう。
6年生
国語:今までに習った漢字のおさらい、同音異字を反復練習
俳句や短歌に触れるのも6年生。言葉が短いほど表現が難しいことを実感することでさらなる表現力・語彙力アップも期待できます。夏休みの学習にぜひ取り入れてみてください。
算数:分数のかけ算、わり算、分数を使った文章題。比を使った文章題
分数のかけ算・わり算では、「分母・分子、どっちが上になるんだっけ?」などと混乱しがち。たくさん演習をして計算の形をしっかり覚えることが重要です。
夏休みの宿題はどう乗り切る?!日々の勉強とのバランスは?
夏休み中に学習習慣を意識しながら勉強に取り組みたいところですが、イベントや予定以外にも、計画を立てる際に注意しておきたいのが「夏休みの宿題」。
特に夏休みの宿題の量が多い場合には、イベントや予定と同じく初めから予定に組み込んでおくのが理想的です。
ドリル系の宿題なら通常の学習に組み込んでもよいですが、自由研究や読書感想文など、ウェイトの重たい宿題についてはきちんと時間を確保し、お子さんの様子をみながら取り組みましょう。
また、日々の学習とは異なり、タスクとして降りかかるのが夏休みの宿題。おすすめは、何がどこまで終わっているかをしっかりと視覚化すること。
宿題をリスト化し、できたものから塗りつぶす、ドリルであれば逆算していつまでにどのページまで終わらせるべきなのかをカレンダーに書き込むなど、こちらも夏休みのはじめに計画を立てることが大切です。
取り組みやすさ&今後の継続を重視しよう!夏休みの勉強におすすめの学習教材は?
夏休みの学習を習慣化させるのにぜひ活用したいのが学習教材。
夏休みだけ学習塾に通ったり、単元特化ドリルやインターネットでダウンロードできるプリントなどを活用しているお子さんも多いようです。
ただ、せっかく習慣化した学習スタイルを夏休みだけで終わらせないためには、夏休みから2学期以降も継続して利用できる教材を試してみることをおすすめします。
マナビコがおすすめするのは小学館の通信教育「名探偵コナンゼミ」。会員満足度90%のワークブックは、1回の取り組みが1見開きと取り組みやすく、日々の学習管理をするのにもピッタリ。
7月号・8月号入会は夏の入会キャンペーンを実施しており、読書感想文のポイントや計算スキルを上げる方法をご紹介した特別教材などの特典も!
また、8月号は夏休み特別号となり、算数の復習問題や国語の読解問題などが通常月より充実していたり、思考力に特化した「小学館思考力テスト」に参加できるのも嬉しいポイントです。
ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
夏休みはお子さんの学習を見直すいい機会です。しっかりと計画を立て、お子さんとコミュニケーションをとりながら、ご家庭にあった学習スタイルを試してみてくださいね。