衣替えのたびに、大量の子供服を目の当たりにクローゼットの前で立ち止まってしまっていませんか。
もう小さくなった子供服、まだ着られるけれど次に着る予定はない服。おさがりにしたいけどちょうどいい相手がいなかったり、フリマアプリに出すには手間がかかったり、寄付で持ち込みするにも勝手がわからなかったり。袋にまとめたまま、子供服を処分できずにいるご家庭は多いはず。
そんな「この子供服どうしよう…」という日常の迷いを、お子さんと社会をつなぐ一歩に変える仕組みがあります。古着を通して社会貢献できるサービス「フクチャリ」です。今回は、「フクチャリ」を運営する後藤慎治さんにお話を聞きました。
「古着を寄付することがどうして子どもの学びに繋がるの?」「いつもただ子供服を捨てていただけなのに、どういうこと?」と思った方、ぜひご一読ください。
目次
不要な子供服などの古着で社会貢献できる!「フクチャリ」ってどんな活動?

今回お話を聞いた人/後藤慎治さん(世界こどもワクチン基金代表)
日興証券株式会社、株式会社白夜書房、ヤフー株式会社、厚生労働省を経て、認定NPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会に11年間勤務。2021年9月世界こどもワクチン基金を設立、運営。千代田図書館・日比谷図書文化館ゼネラルマネージャー。紀尾井町戦略研究所フェロー。「フクチャリ」は2021年から運営。
「フクチャリ」では、まず、古着の回収キットを購入し、家庭から不要な衣類を送ります。
送られた古着は、国内でリユース品として再活用されます。古着市場で値段がつくものは二次流通され、つかないものは、工業用ウエスや自動車の内装材、リサイクル手袋になります。その際の買取収益の一部が、寄付金として支援団体へ届けられる仕組みです。
つまり、「捨てるはずだった服」が「必要としている人に届く」と同時に、「寄付として社会貢献にもつながる」仕組みになっています。

――子どもにとっては、自分が着ていた服が誰かのもとに届く、その過程で世界の子どもたちの支援につながる、という一連の流れを知ることができます。モノが移動することを通じて社会のつながりを実感できるので、親子で取り組んでもらうチャリティー活動としてはとてもおすすめなんです。(後藤さん)
また、「フクチャリ」最大の特徴は、二次流通も、リサイクルも、すべて国内で完結しているという点。古着の寄付活動には、開発途上国へ現物を送るといった活動もありますが、日本の衣類を直接開発途上国に送ってしまうと、現地の産業の発展の妨げになるという問題も。また、貧しいとされる国は、サハラ砂漠より南にあるアフリカ地域や東南アジアなどの温かい地域に多いため、冬物衣類などは結果的に捨てられてしまうことも多く、現地のごみ問題にもつながります。
必要とされるところへ、喜ばれる形で届けられる。寄付する側も安心して寄付できるのが、「フクチャリ」の魅力でもあります。
支援団体を選んで寄付するから、社会課題を知れる!寄付できる団体は?

フクチャリでは複数の支援団体と連携しており、寄付をする団体を申込時に自分で選ぶことができます。
支援団体は、開発途上国の子どもたちへワクチンを中心に保健医療全般を援助する活動や、世界の女性の命と健康を守るための活動、難病と闘っている又は生命に危機のある疾病と共に生きている病児とご家族を支援する活動、貧困や虐待、不登校など子どもたちの困難を解消する活動、学校に通えない子どもたちへの教育支援などです。
――ここで重要なのは、困っている人がいるという事実だけでなく、その課題を解決しようと行動している人たちがいるということを、子どもに伝えられる点です。
世界には課題があり、それに向き合っている大人や団体が存在し、そして自分たちもその一部に関われる。この認識は、子どもが社会を「他人事ではなく、自分とつながったもの」として捉える第一歩になります。
ぜひ「どの団体に寄付したい?」と親子で話しながら、それぞれの活動についても調べてみてほしいです。(後藤さん)
どんな古着が喜ばれるの?親子で子供服を整理するときのコツは?

フクチャリでは、まだ着られる状態の古着や子供服が対象です。下着や寝具、大きな破れ・汚れのあるものは対象外ですが、判断の基準はとてもシンプル。
――“誰かに気持ちよく渡せるかどうか”で考えてもらえると分かりやすいですね(後藤さん)
また、親子で古着整理をするときのコツとしては、子どもに手放す服を選ばせるなどして「なぜ手放すのか」を一緒に考えるのがおすすめ。短時間で仕分け作業を終わらせるというよりも、会話を楽しみながら進めると、学びのチャンスにもつながります。
実際に「フクチャリ」を活用した方からは、「単なる片付けが子どもと向き合う時間になった」という感想が寄せられることがあるそうです。
――「この服はお気に入りだったね」といった思い出の話はもちろん、「この服はどうなるの?」という子どもから問いをきっかけとした世界や社会の話などができた、という感想もあります。体験型の学びにもなっていると思うととても嬉しいです。(後藤さん)
子どもの暮らしと社会の課題を寄付がつなぎ、自分の行動の先にいる人を想像できるように。

この話からも分かるように、後藤さんがこの活動を通して感じる「やりがい」は、寄付の結果や社会貢献活動そのものよりも、ひとりひとりに社会が抱える課題への意識が芽生えていくこと。
――社会課題というと距離を感じてしまいがちですが、「フクチャリ」のような身近な活動を行うことで、自分の選択が社会につながる実感を持てるはずです。
それがやがて自発的な行動になり、支援の輪が広がっていくと考えると、社会貢献活動で一番大切なことは、学びを広げていくことだとだと思います。(後藤さん)
世界ではどんなことが起きているのか、なぜ支援が必要なのか、自分にできることはなにか。「フクチャリ」は、不用品を手放す手段であると同時に世界の課題を自分ごととして捉える力を育むきっかけになります。
また、仕組みがすべて理解できなくても、「誰かの役に立てたら嬉しい」という気持ちから始めることで、潜在的な社会貢献の意識を育み、長く続く支援へとつながっていきます。
「寄付の仕組み」であると同時に、自分の暮らしと世界の出来事がつながっていることを体感できる“入口”として設計されているこの「フクチャリ」。今後は、家庭単位だけではなく、企業のCSR活動や学校・地域コミュニティの取り組みとの連携を視野に入れながら、より多くの人が関われる仕組みを目指しています。
――企業や学校での講演活動や、イベントの中でフクチャリを体験できるようにすることで、「社会課題を自分ごととして捉える機会」を増やしたり、環境問題や国際支援といったテーマも含め、子どもたちが多角的に学べるきっかけとしての役割も担ったりできればと考えています。(後藤さん)
すぐにできる。着なくなった子供服を、子どもの大きな学びに変えよう。
クローゼットの前で立ち止まってしまったその瞬間は、社会とつながる入り口。もう着ないけれど、思い出の詰まった子供服。捨てるには忍びないその気持ちを、次の人へ、そして支援を必要とする人たちへとつなげてくれるのが「フクチャリ」です。
服を手放すという日常の行動が、社会貢献の心を育み、学びへと広がっていく。親子で話し合いながら選び、送るだけのシンプルな仕組みだからこそ、無理なく続けられます。「フクチャリ」という選択肢で、お子さんの成長をさらに豊かなものにしてみませんか。




