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知っていますか?2020年から小学校ではじまる「プログラミング教育」の目的とは?

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人気の習い事ランキングにも名を連ね、子ども向けの教育番組でも取り上げられるなど、今や教育と切り離せないワード「プログラミング」。

2020年の教育改革でも小学校の授業でもプログラミング教育が導入されることになっていますが、その目的をご存知でしょうか。「え~、うちの子は別にプログラマーになりたいわけじゃないのにどうしてプログラミング教育なの?」なんて必要性に疑問を感じている方もいるのでは。

今回は、子どもたちがプログラミング教育を通して何を得たらいいのか、プログラミング教育とはどういう内容なのか、考えていただくきっかけになればいいなという、そんな記事です。

「さあ、プログラミングで遊びましょう」

12月某日。まなびwith本部では、小学1、2年生の子どもたちを集め、とあるボードゲームのワークショップを開催しました。

ゲームの名前は「アルゴグラ」。カードを並べて、プログラムを組み立て、ゲームボード上のコマを動かすというシンプルなもので、「順番に実行する」「処理を繰り返す」「条件によって処理を変える」の3種類のカードを使用し、遊びながらプログラミングの基礎が学べるという内容のボードゲーム。

ワークショップの時間は30分。この間に、子どもたちにカードの動き・ルールを理解してもらい、さらにはグループでコーディングレースができるまで持っていくというのがイベント運営側の目標。

小学校低学年の子どもたちがどこまでついてこられるかという不安をよそに、目的の場所にコマを動かすために試行錯誤し、協力しあい、解けた時には「次の問題は?!」「次のお題は私が作りたい!」と笑顔を見せる子どもたちの姿がありました。

プログラミング教育では「プログラミングを学ぶ」のではなく「考え方を学ぶ」。

「そもそも、『プログラミング教育』という名前がどうなのかな、と僕は思っていて…」

2020年から小学校の授業に導入される「プログラミング教育」について、こう話し出したのは、前段のゲーム「アルゴグラ」を開発した合同会社スイッチオン代表、田代氏。

「いかにも『プログラマーを育てます』というように聞こえるじゃないですか。そうではなくて、論理的思考だとか問題解決能力だとか、プロセスに落とし込むとか、そういう考え方を学ぶことが重要なんですよね。海外で言うところのcomputational thinking(計算論理的思考)という考え方に近いと思った方がいい」

文科省が示す「小学校プログラミング教育の手引」によれば、小学校のプログラミング教育が目標とするのは以下の3つ。

  1. 身近な生活でコンピュータが活用されていることや問題の解決には必要な手順があることに気付くこと。
  2. 自分が意図する一連の活動を実現するために、必要な動きの組み合わせや、一つ一つの動きに対応した記号の組み合わせ、それら組み合せの改善などを論理的に考えていく力を育てること。
  3. コンピュータの働きをよりよい人生や社会づくりに生かそうとする姿勢を持つこと。

2020年度から小学校の授業に導入されるプログラミング教育は、あくまで、プログラミングを通して上記を学ぶということが目的です。

 

プログラミング教育の導入として最適な「アンプラグド教材」


合同会社スイッチオン代表?田代英一郎 氏

2020年度からのプログラミング教育が小学校の授業で実際どのように実施されるかについては、自治体や学校レベルで内容に差が出てくることが予測されています。
先生のレベル、つまり教える人材の質はもちろんのこと、パソコンやLANなどのインフラ環境、カリキュラムは、それぞれで異なるからです。

そんな中、注目を集めているのが、「アルゴグラ」のように電子機器を使わずにコンピューターの仕組みやプログラミングの基礎学ぶ「アンプラグド教材」。インフラ環境に左右されないことに加え、キーボード入力などの操作も必要ないので、とくに小学校低学年のプログラミング教育教材としては最適と言われています。

実はスイッチオンは、ボードゲームメーカーではなく、新潟県にある子供向けプログラミング教室&電子工作のワークショップを企画・運営する会社。学校や自治体間のプログラミング教育の格差の問題は、ボードゲームを開発することでスイッチオンが解決したかった問題の一つだと話す田代氏。

「もともと、プログラミングに興味があって教室に通う子たちとはまた別に、そういうことに触れる機会のない子どもたちにも、パソコンの有無などを気にせずプログラミングの考え方を楽しく学べるものがあればいいなと思って『アルゴグラ』を作ったんです」

プログラミング教育、その学び方には色々なアプローチがあっていい。


プログラミングボードゲーム「アルゴグラ」

「アルゴグラ」はプログラミング教室などでよく使われる「Scratch(スクラッチ)」を踏襲しているほか、オリジナルのコードカードを作れたり、先に挙げた基本対戦ルールの他にもオリジナルルールを作れたりするなど、市販ボードゲームながらプログラミング学習の要素を多く含み、同時に、遊びのレンジも広いことが特長。

「これは教材なんですか、それともゲームなんですか、とよく聞かれるんです。でも、子どもたちが何かを学ぶときに重要なことは『楽しいか』『熱中できるか』なんですよね。教材かゲームかは大事じゃないんです。学び方には色々なアプローチがあっていい。『アルゴグラ』を通して一人でも多くの子どもたちが遊びを通して、プログラミングの考え方を学んでくれたらなと思っています」

 
どうして今、プログラミング教育か

最後に、2020年度から小学校でもプログラミング教育が導入されることになった背景、つまり、プログラミング教育の意義について、もう一度考えてみましょう。

現代では、生きていく上で様々なシーンにおいて、パソコンやスマートフォンなどの情報機器や情報サービスによってもたらされる情報をもとに、それを活用しながら問題を解決する力が求められると言えます。

その力を育てるためにはまず仕組みや考え方を知ることが重要であり、まずその一部を理解するために「プログラミング」を入り口にしよう、というのが2020年度からはじまる「プログラミング教育」。

「プログラミングも、面倒なコーディング(実際にプログラミング言語を記述する作業)は、そのうちAIがやって当たり前になると思うんですよ。だからこそ、これからは、人間にとって役立つものや楽しめるものは何かを考えてAIに指示していくことが人間に残された仕事になるわけで。となると、人間にしかできないものを作りだせるクリエイティビティを育んでいくことが大事なんですよね。『プログラミング教育』といわれるものの本質だと思っています。」(田代氏)

 

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参考リンク

アルゴグラ
http://algogla.com/

合同会社スイッチオン
http://switchon.jp.net/

文科省プログラミング教育の手引き
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1403162.htm

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