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学習に関するカテゴリです。お子さんが積極的に学習に取り組めるようになるためのコツ、環境づくり、専門家のアドバイスなどを中心にお届けします。

小学校入学までに求められる力がいつのまにかついていく! 「まなぼうワークブック」活用リポート(後編)

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家庭でも幼稚園・保育園でも使える「まなぼうワークブック」(3・4歳/4・5歳/5・6歳)が、「まなびwith BOOKS」シリーズとして発売中です。 このワークブックを3歳児、4歳児クラスの全園児に導入している、なかよしこども園を訪問しました。

 

生活体験をベースに、文字への興味を子ども同士高めあう

前編(リンク入れる)に続いて、後編ではなかよしこども園を訪問し、ひらがな学習に取り組む年中児クラスの様子をリポートします。今回取り組むのは「ひらがなをなぞろう」。字形が似ている「ち」と「ら」を見比べ、最後になぞり書きに挑戦します。

ワークブックには「く」「そ」など、該当のひらがなを含む言葉が掲載されていますが、「らいおんの『ら』だよ!」の声が上がると、触発された子どもたちが思いついた言葉を次々に口にします。

「ちぎらけいちゃんの、『ち』と『ら』だ!」

と、友達の名前を言う子、保育室の壁の掲示物から該当の文字を見つけた子もいました。

読み方がわかったら、手でなぞりながら書き順を確認していました。

最後に鉛筆を持って、なぞり書きです。鉛筆を使うワークは、鉛筆の持ち方や姿勢にも気をつけます。

このワークブックには、文部科学省・厚生労働省・内閣府が示した「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)に照らした解説が、全ての問題に掲載されています。たとえば今回の活動を通して、「10の姿」のうち「数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」や「自立心」を養っていくことが記されています。

  

年少・年中から意識して反復し、積み上げていく「10の姿」

なかよしこども園では年少から「まなぼうワークブック」に取り組んでいます。

「『10の姿』は年長で急に育つのではなく、年少のうちから意識して積み上げていくことが大事だと思っています。年齡にあった興味を育て、ひとつの題材を反復していくことで小学校へとつながっていきますが、このワークブックを使えば、自然とその積み上げができるようになっています」

と年少児担任の本郷先生。

小さいうちは個人差が大きいので、一斉活動ではなく自由遊びの中で、子ども一人ひとりの興味や意欲に応じて「まなぼうワークブック」を取り入れています。

なかよしこども園では、このワークブックの導入以前から幼児ドリルを保育に取り入れていたといいます。

「子どもたちが生きる力を養うために、知・徳・体が必要です。その「知」の部分を育てるために、幼児ドリルを活用してきました」

と喜多濃総園長先生。

「まなぼうワークブック」は、2020年度から採用しました。『知』だけではなく、『徳』や『体』の部分の導入もできてしまうのがこれのいいところですね」

↑公園で友達と譲り合いながら遊ぶためのふるまい方を、子どもと考えるワーク。

↑体遊びのワーク。

 

「このワークブックは、子どもたちにとっての学びの素材であると同時に、保育者が『10の姿』を理解するための教材にもなっています。全部の問題に、『10の姿』に落とし込まれた解説がついているからです」

  

主体性重視の保育を支える、全員共通の学習素材

また、子どもの主体性をより重視する保育環境や活動へと園全体で見直しを図っていた中で、「まなぼうワークブック」がフィットしていたそうです。主幹の杉山先生は

「主体性を尊重する保育では、子どもの興味や先生の得意からスタートする活動が多いのですが、偏りが生じてしまわないか心配もありました。でも『まなぼうワークブック』を開けば文字や数はもちろん、自然分野や生活のマナーなど、保育のあらゆる分野が網羅されていて、さまざまな活動のきっかけになります」

と話してくれました。

  

園での子どもの成長を家庭や小学校につなぐ

ワークブックの巻末には「はぐくみたい10の姿チェック表」があります。

↑「はぐくみたい10の姿チェック表」の例。

  

ワークブックを通して、それぞれの項目別にどのくらい取り組んできたのかが個人ごとに一覧できます。それを元に、「○○くんには、『10の姿』の☓☓を伸ばしたい」というような話し合いの場にも活用しているそうです。他にも、保護者面談や、指導計画・要録(※)作成にチェック表を活用しているという声も聞かれました。

※正式名称は「幼保連携型認定こども園園児指導要録」。園児の学籍、指導の過程、その結果の要約を記録した原簿で、その写しは小学校に送られ、指導に役立てられる。

 

<取材協力>

社会福祉法人 光輪会 なかよしこども園・第二なかよしこども園(埼玉県所沢市)、和光なかよしこども園(埼玉県和光市)

喜多濃定人先生(総園長)、喜多濃恵美子先生(園長)、森下有紀先生(副園長)、山本亜以梨先生、杉山捺美先生、本郷沙紀先生

文/佐藤暢子 撮影/丸橋ユキ

 

好評発売中! 知育ドリル まなびWith BOOKSシリーズ

まなぼうワークブックシリーズ

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿をめざしてお子さんを見守り、はぐくむワークブックです。園長先生・経験豊かな保育者のアイデアがギッシリ! 春夏秋冬、1年を通してバランスよく学べます。

 「まなぼうワークブック5・6歳」

 

「まなぼうワークブック4・5歳」

 

「まなぼうワークブック3・4歳」

<著・監修者のことば>家庭で、園で、小学校入学までに求められる力がいつのまにか身についていく!

2018年4月に施行された法令により、小学校就学を見据えた幼児教育における共通の方向性10項目が初めて示されました。「まなぼうワークブック」では、すべての問題にその10項目のどれがあてはまるのか、どんな子どもの姿を期待しているのかが具体的に書かれています。

園でこのワークを使っていただければ、お子さんたちの資質・能力を伸ばすことにつながり、保育者の方にとっては保育記録・要録の作成を含めた就学支援の力強いサポートになります。

家庭でこのワークブックを使うことは、園における幼児教育を理解し、園と同じ方向を見て歩むことにつながります。

お子さんが自信をもって、小学校に入学した後も伸び続けていくために、『まなぼうワークブック』をぜひご活用ください。

百瀬ユカリ(日本女子体育大学子ども運動学科教授)

「まなぼうワークブック」についてもっと知りたい方はこちら

 

「入学準備ワーク」

小学校入学前に身に着けたい力と、小学校入学後役立つ力をつける、年長さんのためのワークブックです。これで春からピッカピカの一年生!

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