長い夏休み明け、気になるのはお子さんが元気に登校できるかどうか。
「夏休み明けは行き渋りや不登校になりやすい傾向にある」と語るのは、メンタル心理カウンセラーであり、元公立小学校教諭のきやまりえさんです。
「4月に進級や進学でガラッと環境が代わり、何とかがんばってきた子どもたちの中には、1学期の疲れが夏休みにどっと出てきて生活リズムが不規則になってしまう子や、人間関係や環境から感じていたストレスを思い出して不安になり、行き渋る子がいます」(きやまりえさん、以下同)
また、2学期は学校行事が多く、学習内容はグッと深まっていくので、子どもにとってはストレスが溜まりやすい時期。そこで、子どもからのSOSに気づくための方法や子どもの勉強ストレスとの向き合い方について紹介します。
目次
夏休み明けもしも子どもが行き渋ったら? 親として心がけたいこと
子どもが行き渋った場合、まずは体調や表情の変化を見逃さないようにすることと、子どもの話にしっかりと耳を傾けることが大切だときやまさんは言います。
「『学校に行きたくない』と親に言うことはとても勇気がいることです。はじめは『おなかが痛い』『頭が痛い』など、体調不良を訴えるお子さんが多いと思います。なぜ行きたくないのか、自分の気持ちを言葉にできるお子さんはいいのですが、いじめられていたり、友達や先生とのトラブルがあったりするなど、子どもにとって苦しい状況が原因の場合は、なかなか親に言うことができない場合がほとんどです。心に溜まった不安やストレスが体調不良として現れます。お子さんが体調不良を訴えた場合には、無理をさせず学校を休ませ、病院を受診し体の異常がないかまずは確認してあげてください。症状の回復を待ってから、お子さんから話を聞く方がいいでしょう。その際に、理由を問い詰めるのではなく、お子さんの話を受け止めてあげることが大切です」
行き渋りで一度休ませると、そのまま不登校になってしまうのではないかと心配になるおうちの方は多いと思います。
「休むことによって体の不調が回復したら、様子を見てまずお子さんの話を聞き、受け止めてあげてください。うまく話せない場合は、『話したくなったら教えてね』と伝え、無理に問い詰めないようにしてください。『途中で学校に行きたくなったら、いつでも送っていくよ』と伝えておくと、途中からいける場合もあります。また、注意したいのが、家にいればダラダラできる、好きな時間に遊べると、子どもが間違った認識をしてしまわないように注意しましょう。早寝早起きを心がけ、朝ごはんもしっかりとるなど、生活リズムに気をつけることも大切です。」
<こんな態度に現れる子どものSOSのサイン>
- 生活リズムが乱れる(寝つきが悪い、夜中や朝方に目が覚める)
- 食欲がない、もしくは食べすぎる
- 便秘が続く、もしくはトイレに何度も行く
- 頭痛、腹痛を訴える
- ボーッとしてやる気がない
- イライラして怒りっぽくなる
- 些細なことでな泣く
- 赤ちゃん返りしたように甘える
- 些細なことで驚いたり、パニックを起こしたりする
- 行き渋りが2日、3日と続く
子どもの行き渋り、心配なパターンは?
「今日は学校行きたくないなぁ」と言いながら渋々登校しても、家に帰ってくる頃には何事もなかったかのようにケロッとしていることも。逆に、心配なパターンはどういう場合なのでしょうか。
「心配なパターンは、いじめが原因と疑われる場合です。子どもがいじめを訴えた場合は、子どもの話をしっかりと聞いて状況を把握した上で、なるべく早く担任の先生に相談しましょう。行きたくない理由をすぐに話すことができる場合は、それほど心配する必要はないかもしれません。給食のメニューや休み時間など、その日の楽しい予定の話や、おうちの人からの『1日だけがんばってみよう』『お父さんと一緒に登校するのはどう?』などの提案で、切り替えができるお子さんも多いです。そうした場合は、理由なないけれど休み明けでなんとなく学校に行きたくないという気持ちだったり、自分のことを見てほしい、甘えたいという気持ちの現れだったりする場合も。お子さんの気持ちを受け止めつつ、楽しく切り替えられるような声掛けをしてあげられるといいですね」
夏休み明けのその行き渋り、勉強によるストレスが原因かも?
夏休み明けはお子さんの様子をチェックしつつ、行き渋りがあった場合には、しっかり寄り添う姿勢で向き合うことが大切だとわかりました。一方で、勉強が原因で学校に行きたくなるパターンもあるようです。
◆算数のつまずきが原因だった!/小学校4年生の男の子のママ・Mさんの場合
「小学校3年生の10月中頃、急に学校に行きたがらなくなりました。理由を聞くと、『勉強がつまんないから』。すぐに担任の先生に電話し、個人面談をしていただいて後からわかったのですが、算数につまずき、授業についていけていなかったようです。理解できないので宿題をする気も起こらず、1ヵ月ほど宿題を提出していなかったこともわかり、愕然としました。算数の勉強が理解できるようにならないと息子の行き渋りは続くと思い、まずは1日10分、教科書の復習からスタートしました。算数への苦手意識が強く、集中力が続くのは10分がやっとでしたが、少しずつできることが増え、本人も自信がついたようです。いつの間にか、『学校に行きたくない』と言わなくなりました」
親ができる子どもの勉強ストレス対策
続いて、おうちの人ができる勉強ストレスの減らし方のコツをチェックしていきましょう。
◆勉強を楽しい時間に
勉強にストレスを感じているということは、「勉強は退屈なこと」という気持ちがあるからです。
そこで、家庭学習で子どもに勉強を教えたり、子どもの勉強を見守る際には、勉強が楽しくなるような仕掛けを盛り込みましょう。
<勉強が楽しくなる仕掛け>
・例題は、アニメやゲームなど、子どもが興味の持つ内容にする
・答えがわからないときには、間接的なヒントを与える。クイズ形式で楽しみながら答えられるようにする
・「お母さんが5分で戻ってくるまでにここまで終わらせられるかな」などゲーム要素を盛り込む
◆日常生活に勉強を取り入れる
例えば、おやつの時間に「今、クッキーが12枚あるけれど、家族4人で分けたら何枚ずつ食べられる?」と問いかけるなど、暮らしの一コマの中に勉強の要素をを取り入れることで、「勉強している」という認識を持たずに自然に学習することができます。
◆メリハリをつけて勉強する
「勉強が終わったらおやつの時間」「計算問題を20問解いたら自由時間」など、お楽しみや遊ぶ時間をしっかり確保することで、子どものやる気と集中力がアップします。
◆理解したときや正解したときには、しっかり褒める
勉強が苦手だったり、つまらなかったりするお子さんにとって、「勉強を理解して褒められる」ということは、大きな成功体験です。この成功体験を積み重ねていくことで、勉強へのストレスは軽減されるはずです。
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