クリスマスやお正月など、子どもたちにとって楽しいことばかりの冬休みの後にやってくる3学期。しかし、次学年に向け学習面で積み残しがないように授業の進度が早くなることもあり、生活面・学習面ともに、モチベーション維持に苦労する時期でもあります。3学期は進級・進学に向かっていく時期なので、そのギャップを生まないよう、冬休みや3学期初めから意識しておくことが重要です。
今回は、どのようなことに気を付けながら3学期を過ごすのがよいのか、小学生が意識しておきたい学習のポイントをご紹介します。
目次
3学期は、次学年の意識づけが重要!
『一月往ぬる二月逃げる三月去る』という言葉は、正月から三月までは行事が多く、あっという間に過ぎてしまうことを指したもの。小学校の生活も、年が明けるとあっという間に新年度です。
3学期は1年間の自分の成長を振り返り、次の学年への期待・抱負を意識する機会が多くなります。6年生にとっては中学校入学という人生の節目に向かっていく時期でもありますね。
ところが先に書いた通り、休み明けの3学期開始時期はモチベーションの上がりにくい時期。まずは、12月のうちから少しずつ、親子の会話の中で新年度に向けての意識づけを始めていきましょう。
3学期のモチベーションを上げる!親子会話のポイント
- 今年できるようになったこと特に頑張ったことを勉強以外でもどんどん話す。
- お子さんのことを褒める。具体的に何がよかったのかを伝えてあげるのもgood!
- 次学年で何を楽しみにしているのか、頑張りたいことは何かを肯定しながら聞きだす。否定はNG!「いいね!」という気持ちを忘れずに。
- 去年立てた目標がある方は、それが達成できたのかを振り返るのも自信につながるので◎。
- なかなか聞き出せない場合は、まずおうちの方が自分の場合どうだったのかをお子さんに話してみましょう。
3学期の学習単元はどのようなものが多い?
新年度への意識づけが重要ということがわかったところで、次は3学期の学習内容についてチェックしていきましょう。
3学期の学習については教科の特徴や教科書によっても違ってきますが、1、2月にはボリュームのある単元を避け、3月にその学年の総まとめを持ってくることが多いようです。中には1、2月に次の学年で最初に学ぶ内容の準備段階の学習を組み込んで、4月にスムーズに新しい考え方に取り組めるような構成になっている場合もあります。
次学年にうまくバトンタッチされる単元や、やむを得ず積み残されてしまった単元などについては、保護者会で説明されることもありますので、家庭学習の指針にされるとよいと思います。
次学年へつながる単元~算数の例~
- 1年生の繰り上りと繰り下がりの計算⇒2年生の筆算
- 2年生のかけ算⇒3年生のわり算
- 3年生のわり算⇒4年生のあまりのあるわり算やわり算の筆算、5年生、6年生の小数や分数のかけ算やわり算
3学期のうちにその学年の学習単元のおさらいをして苦手な分野があれば克服しておきましょう。
学年のまとめの学習はどう取り組んだらいい?
学校の授業でも各教科の1年間のまとめに取り組みますので、ご家庭ではお子さんの理解度に凸凹がないか確認しておくとよいですね。例えば、これまで学校で取り組んだテストなどで減点された問題にもう一度取り組んでみると、ウィークポイントが浮き上がってきます。
<算数>3学期の学習ポイント
「これは苦手かも?」と感じる単元が出てきたら、教科書やドリルの類題でしっかり練習しておきましょう。
計算ミスが多いお子さんや文章題が苦手なお子さんは、こちらも参考になさってください。
◆計算ミスをどう防ぐ?<タイプ別・学年別>で今すぐ実践できるコツ!
https://shopro.co.jp/manabico/cate02/2090
◆算数の文章題、苦手を得意に!学年別の重要ポイントをチェック!
https://shopro.co.jp/manabico/cate02/2145
<国語>3学期の学習ポイント
◆細部まで確認!漢字の学習
各学年の配当漢字がしっかり書けるか、送りがなも含めて確かめてみてください。どの学年でも新たにたくさんの漢字を覚えるため、細かな部分があやふやになりがちです。
一度にたくさんの漢字を確認することは難しいので、冬休みからおさらいを始めていくことをお勧めします。高学年は同音の漢字の使い分けについてもしっかり理解しておきましょう。
◆焦らずに!文法問題は長い目でおさえていこう
「主語や述語、修飾語などの文法に弱い」というお悩みを聞くことがありますが、文法問題は毎年少しずつ深く学習していくものが多いもの。
たとえば主語や述語については、1年生では「わたし( )、1年生です。」などの出題で主語の形を意識する学習、2年生では「何がなんだ・何がどうした・何がどんなだ」という文の形を知り、3年生で「主語・述語」4年生で「修飾語」について学びます。毎年主語や述語について触れていくので、次第にできるようになることが多いです。低学年のうちから「3学期のうちに何とかしなくては」と過度に心配せず、次学年以降も根気強く繰り返し問題に取り組んでいくことを心がけましょう。
冬休み~3学期に学習を習慣化するコツは?
それぞれの学習をどんなふうに進めるかはお子さんの日頃のスタイルに合わせてあげましょう。
毎日の学習が習慣になっている場合
毎日漢字と計算をそれぞれ5問、土日は文章題にチャレンジ!など、負担を大きく増やさずにできる範囲で進めましょう。
習い事などで平日はあまり時間が取れない場合
土日に集中しておさらいタイムを作りましょう。どうしても負担が増えてしまうので、ウィークポイントの洗い出しを早めにやって時間をかけて復習すべき単元を中心に組み立ててください。
まだ学習習慣がついていない場合
ドリルなどを活用しましょう。その日に取り組む問題にマークを付け、できたらシールや花丸なども多用してほめることを意識してください。問題量は欲張らずに、はじめは少しずつからスタート。おさらいが学習習慣の定着にも結び付けられるといいですね。
また、時にはごほうびも効果的です。ご家庭のルールから逸脱しない範囲でお子さんのモチベーションが上がる工夫をしてあげてください。
新学年に向けて、家庭学習教材を検討しよう!
3学期終盤になると、新学期の準備がどんどん始まっていきます。進学・進級はもちろんですが、新しく始める習い事や部活があればその準備もありますし、引っ越しなどが多いのも3月ごろ。
できれば、次学年の学習準備は3学期入ってすぐに検討したいところです。
新学期から学習教材や塾を検討している方は、ぜひ早めに資料請求を行いましょう。各社、新学期の入会キャンペーンなどでお得に入会できることが多いので、じっくり検討してみてください。
おすすめなのは、入会前にお子さんにしっかり体験してもらうこと。入会前に授業や教材を試せることがほとんどなので、ぜひ活用しましょう。
お子さんによって学習スタイルは様々なので、塾なのか、通信教育なのか、ワークブックで学ぶのか、タブレットで学ぶのがよいのか、など、お子さんの様子をじっくり観察し、感想を聞きながらお子さんにしっかりあったものを探してくださいね。
©青山剛昌/小学館 ©青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996 ©名探偵コナンゼミLLP
著者プロフィール
- 石山絵麻 先生
- 小学館集英社プロダクション コンテンツ開発室所属。長年、教育事業に関わり、数々の保護者の学習周りのお悩みを解決してきた家庭学習のプロ。