近年、子育ての重要キーワードとなった「自己肯定感」。その育み方に関するインターネットの記事や育児書などを目にすることが増えたように思います。
自己肯定感が高いことは、自信を持って行動できるようになることはもちろん、対人スキル、ストレスへの対処能力、リーダーシップの資質などにもつながると言われています。そのため、大人になるまでに自己肯定感を高めるためのアプローチや注意点については、子どもの成長過程によって多くのことが語られています。
その中で、特に注意したい時期は思春期。なぜならば、思春期は様々な要因で自己肯定感が下がりやすい時期だからです。
今回は、思春期の始まりの時期である小学校高学年の子どもたちに向けて書かれた、自己肯定感に関する児童書『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(名越康文 監・加藤隆行 文/小学館クリエイティブ)をご紹介します。
小学生は高学年になったら要注意!どうして思春期に自己肯定感が下がりやすいのか?
まず、どうして思春期に自己肯定感が下がりやすいのか、その原因をいくつか見ていきましょう。
身体の変化
思春期には身体的な成長や変化が急激に進行します。身長、体重、性徴の発達などによって自分の見た目が急に変わることに戸惑いを感じ、自己肯定感が低下することがあります。
他の同年代の友達との比較
みんなで仲良くワイワイ過ごせた低学年とはうって変わり、思春期には、個々の成長や、自我・個性が顕著に表れてくることから、同年代の友達やクラスメイトと自分を比較することが増えることでしょう。外見や家庭環境、能力などの要因で他人と自分を比較し、自分が劣っているように感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
周りから受ける同調圧力
これは思春期に特に顕著です。周りにいる同世代の友達の価値観に対し、多少違和感を持ったとしても、友達からの「こうあって当然」といった同調圧力に対応するために無理をしていることも。自分は他と違って劣っているのだろうか、と感じるきっかけにもなりえます。
そのほか、自分が誰なのか、何を信じるのかを探求していったり、社会的評価に強く影響されやすかったりすることから、思春期は自己肯定感が下がりやすい時期といえます。
思春期は個人差が大きいため、すべての子どもが自己肯定感が下がるというわけではありませんが、もし家庭の様子などから、思春期のお子さんの自己肯定感が低下していると察した場合には、健康的な自己肯定感を育むためのアドバイスや対処がなされなくてはなりません。
小学生が自分で読んで実践できる!自己肯定感を高める児童書!
お子さんの自己肯定感が低くなってしまったかも……、という場合、もちろんおうちの方がいろいろと調べたり、場合によっては専門家に相談、という手段も取られることがありますが、お子さんを取り巻く環境の中で、自分の意思で実践できる、自己肯定感を下げないための「技」のようなものを習得できたら、お子さん自身の成長にもつながると思いませんか。
今回ご紹介する本『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』は、精神科医・名越康文先生が手がけた、自分を好きになれない小学生のための必読書です。
『「どうせ自分なんて」と思う君に、知っておいてほしいこと』(名越康文 監・加藤隆行 文/小学館クリエイティブ)
この本には、小学生が自分で自己肯定感を育んでいくためのヒントがたくさん詰まっています。
「友だちと比べて○○ができない」
「先生に怒られてばかり」
「ダメな自分がイヤになる」
「どうせ私なんて……」
そんなふうに思ったことのあるお子さんにはぜひ読んでほしい一冊です。
自信をなくしている子どもに寄り添う優しい文章は、子どもの心に小さな自信が芽生えるきっかけを与えてくれるでしょう。
ぜひ、チェックしてみてくださいね。