子どもが好きなことや得意な分野で活躍できるようになってほしい、という想いを持っている親御さんは多いのではないでしょうか。
数ある子育てのテーマの中でも話題になる、子どもの興味関心をいかに伸ばしてあげられるか、という難題。
今回は迷路作家として活躍する小学6年生の男の子とそのご家族から、そのヒントを探ります。
目次
迷路が大好きで、これまでに作った迷路は3,000点以上。小学生迷路作家が誕生するまで
まずご覧いただきたいのがこちらの迷路。作ったのは小学6年生の増田晃さん。このような大人でも解くのが難しい迷路を作れるようになったのは、いくつもの試行錯誤を繰り返してきたからだ。
迷路を作ろうと思ったのは、もともと小さいころから迷路が好きで、図書館の迷路本を読みつくしてしまったのがきっかけ。
「迷路がないなら作ろう」というのはシンプルなきっかけではあるが、その後もずっと迷路に対する興味が続いているという凄みがそこにはある。
――続いているのは迷路が好きだからです。それに家族や友だち、Instagramで知り合った人たちが応援してくれるから。家族は僕が作った迷路をたくさんしなくちゃいけないので疲れているかもしれないですけど(笑)。いい見た目で、難しい迷路が作れた時は本当に嬉しいです。(晃さん)
スキルアップの他にも、興味を深めることが生み出したメリット
家族によれば、晃さんが迷路作りに興味を持ったことで、迷路作りそのものが得意になったこと以外にもたくさんのよい変化があったという。
――迷路作りのスキルに直結するところでは、先のことを考えて動くことが得意になったこと。また、同じ趣味の仲間を見つけられたり、人に楽しんでもらえることで自信がついたり、コミュニケーションがもたらす良い変化の他にも、迷路を作る時間を捻出しないといけないので、計画性が身につきましたね。(お母さん)
子どもの興味を伸ばしていく親子コミュニケーションのコツとは?
子育てをしている中で、子どもが興味のあるものをどう伸ばしていくのか、日々奮闘している方も多いのでは。増田家では子どもの興味があることを伸ばすためのコツを下記のようにとらえているという。
◎親も一緒に楽しむ
◎やりたいということはできるだけ付き合う
◎失敗してもいいからどんどん試す
◎子が興味ある事に色々な角度で質問をする
特に親子のコミュニケーションの中で心がけてきたことはご両親それぞれにあるようだ。
――やりたい事のために必要な道具はそろえるといった環境を整えることと、あとは彼を子ども扱いしないことですかね。幼い時も赤ちゃん言葉などは使わずに、彼が興味を持ったことなら難しそうでもきちんと説明するようにしていました。(お父さん)
――逆にこちらがわからないことは素直に彼に訊ねます。この双方向のコミュニケーションがさらに興味を深めることに繋がっているのでは。また、彼の活動の幅が広がる中で、私たちが対応できないことはSNSや友人に頼るなどしながら、「その時にしかできないことを楽しむ」「思いついたらとにかくやってみる」を実践しています。(お母さん)
子どもの興味をとりまく、昔と変わったこと×今も変わらないことの双方を追いかける
情報化で子ども自身が興味のあるものにたどり着きやすく、その内容も幅広く専門的である現代。さらにそれらに夢中になるまでの経過やその成果はSNSなどを使って気軽に発信することもできる。晃さんのInstagram(@maze_designer_hikari)では日々驚くようなクオリティの作品が更新されており、親世代からすると、いまの時代を生きる子どもたちの本気に圧倒されたりもする。
――でも、鉛筆と消しゴムがあれば夢中になって書いていたり、好きな本を何度も飽きずに読んだり、家族と友だちと一緒なら頑張れる、といったところは今も昔も変わらない気がしています。そういった点を見逃さないことも大切だと思います。(お母さん)
いかがでしたでしょうか。今も昔も変わらない、子どもが何かに夢中になる姿勢を見守りながら、アップデートされ続ける手段や方法を学ぶことで子の興味にどんどん介入していくことを大切にしたいですね。
増田晃さん 公式Instagram(@maze_designer_hikari)