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【子どもへの対応編】どこまで知っていますか?子どもたちの身近に潜む薬物乱用に関すること

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10代の薬物乱用が社会問題になっています。子どもたちが薬物の危険から身を守れるように、私たち大人も、薬物乱用に対する正しい知識を身につけ、予防や対処法についてしっかりと認識を深めましょう。子どもたちの身近に潜む薬物乱用に関する情報について【基礎情報編】と【子どもへの対応編】の2回に分けて取り上げます。今回は【子どもへの対応編】です。

>>【基礎情報編】はこちらから

薬物乱用を防ぐ!気を付けたい子どものサイン

【基礎情報編】でお伝えした10代で増加している、市販薬の乱用(オーバードーズ、適応外使用)の予防策としては、必ず親が見ているところで服用する、服用時の症状や使用した量・日時を確認する、といった家庭における市販薬や処方薬などの医薬品の管理に注意を払う他、SNSなどインターネットで見て真似をするケースも見受けられることから、フィルタリングやアプリ制限、使用環境などのインターネット端末の管理も注意したい点と言えます。

ただ、もっと注意を払いたいのが、子どもたちの心のケア。まずは市販薬でも違法薬物でも、10代の薬物乱用の根本には悩みや問題が存在し、それを誰かに相談することもできない「生きづらさ」を抱えていることを強く認識しなくてはなりません。

ある研究(※)では、市販薬過量摂取患者のうち、家族などと同居している割合は7割を超えており、家族がいても悩みを打ち明けられないケースも多いのが実情のようです。

※救急医療における薬物関連中毒症例に関する実態調査:一般用医薬品を中心に(2022 年)
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202225030A-buntan3.pdf

 

子どもの気持ちを理解し寄り添うためには?

 

特に子どもにとっては、自分の頭の中にあること、思っていることを言葉にするということは難しいことかもしれません。子どもが構えてしまわないように、学校や家の外で起きたその日のできごとやそのときの気持ちについて、自然な会話の中で汲み取ってあげましょう。

なかなか話し出さないお子さんの場合は、まず親自身が自分に起こった出来事や気持ちを話してみて、それに対する意見を聞いてみるというのもよいでしょう。

 

 

子どもを薬物から守るチェックポイント

子どもの言動に関すること

□ 帰宅が遅くなることが多くなった

□ 理由の分からないお金を欲しがるようになった

□ 食事を家族と一緒に食べなくなった

□ 目を合わせて会話をしなくなった

 

子どもを取り巻く環境に関すること

□ 子どもにスマートフォン等を持たせている

□ 子どもにインターネットにいつでも接続できるパソコンを使わせている

□ 子どもが中学生・高校生と遊ぶことがある。もしくは、友だち関係がよくわからない。

 

上記は子どもを薬物から守るチェックポイント。1つでもチェックがつくようであれば注意が必要。「どうしよう」と心配になってしまうかもしれませんが、これらのサインを見逃さないよう、成長していく子どもの心や体の変化について理解し、コミュニケーションを大切にしていくことが大切です。

 

長期休暇明けのタイミングにも注意

  

また、学校生活や家庭で悩みや困りごとを抱えていて、モヤモヤとした気持ちを何とかしたくて、SNSやインターネットから薬物乱用を「自分でできる解決法」という情報として手にしてしまったり、同じような悩みやモヤモヤした気持ちを抱えている友人や知人からの薬物乱用の誘いを受けてしまったりするケースも。

そのため、長期休暇明け、学校生活の再開にうまくシフトできないなど、生活のリズムが大幅に変わるタイミングも薬物乱用に警戒したい時期といえます。

もし、身近で薬物乱用が起こっていたら、まず何をすればいい?

実際に身近で薬物乱用が発覚した場合に、どのような手段をとればいいのでしょうか。使ったり、誘われたりといった当事者になる以外でも、「見てしまった」「聞いてしまった」ということも起こりうるかもしれません。

「すぐに警察に行った方がいいの?」

「子どものしたことだし、家庭内で解決しようとしたら、ダメなの?」

多くの方がこのようなイメージを持っているようですが、最も大事なのは、薬物乱用に関わっている本人(もしくは友人・知人)を助ける、守る、今後につなげていくということ。

 

まずは、相談してくれたこと、言いづらいことを話してくれた、その勇気を存分にほめてあげましょう。相談する前は、長い間、悩んでいたのかもしれません。

本人が話す内容は、まずは一旦すべて受け止めて、コメントをはさまずに、最後まで聞くことが肝心。それが何よりも心のケアになり、「何かあったら、話していいんだ」「聞いてもらえた」と安心感、自己肯定感にもつながります。

そして、こちらから、あれこれと質問をするのではなく、「どうしたいのかな?」「できることはある?」と、寄り添う姿勢で、本人の気持ちを引き出すようにしましょう。

その上で、「安心して相談できるところがあるよ」「相談していることも秘密にしてもらえるよ」「自分で話すのがイヤなら、かわりに相談するよ」と、いくつも選択肢があることを伝えて、本人の考えを尊重する姿勢を示すようにするといいですね。

 

そして次に、適切な相談窓口に相談し、どのような対処が子どもたちにとってベストな選択になるのかに焦点を当てながら解決していくことが大切です。子ども本人も相談をうけた保護者や大人も、自分だけ、自分たちだけで解決しようと、問題を抱え込まないで、必ず適切な機関に相談し、繋がることが重要。

薬物乱用問題は、自分たちだけで解決できる問題ではないのです。

知っておこう、薬物乱用の相談窓口

薬物乱用問題の相談窓口として、まず挙げられるのは、全都道府県、すべての政令指定都市にある「精神保健福祉センター」・「こころの健康センター(※名称は地域によります)」です。

専門的資格・知識をもつ職員が相談を受け付けています。これらの相談窓口では秘密は厳守されます。家族による相談も、匿名でもOKです。窓口は厚生労働省のホームページで確認することができます。

◆厚労省 相談窓口一覧
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/other/madoguchi.html

お住いの地域を所管するセンターのホームページなどによってはSNSやメール、お問い合わせフォームでの相談を受け付けている場合もあるので、電話をしづらいという場合に活用しましょう。

また、お住まいの地域の「保健所」「各都道府県庁の薬務課」でも相談を受け付けています。相談窓口の電話番号のほかに、SNSやチャットボットなど独自に相談しやすい方法を設けている場合もありますので確認してみましょう。

専門家でもない限り、子どもから薬物乱用問題について相談を受けた場合、動揺してしまったり、厳しく注意してしまったりなど、「相談した子どもにとって望ましい対応」ができないかもしれません。

また、望ましい対応ができたとしても、大人自身も動揺していて、悲しい気持ち、後悔の念などを抱え込んでしまうことになりかねません。相談窓口では、家族からの相談も受け付けていますので、本人の心のケアも、家族の心のケアについても、合わせて相談できるというのが心強いですね。

<その他相談窓口>

◆24時間子どもSOSダイヤル
https://www.mext.go.jp/ijime/detail/dial.html

チャイルドライン
https://childline.or.jp/

よりそいホットライン
https://www.since2011.net/yorisoi/

 

薬物乱用問題は子どもだけではなく、誰にとっても身近であるからこそ、これだけ公的機関による相談しやすい窓口が整えられているということですね。

何もなくても、一度、お住いの地域を管轄するセンターのホームページを見てみてもいいかもしれません。

 

いかがでしたでしょうか。身近に潜む薬物乱用の危険性について正しく認識することがとても大切です。「まだ子どもだし…」「日常に関係ないことだし…」などと避けることなく、親子で正しい知識を学ぶこと、それぞれご家庭で話し合うきっかけを作ることをぜひおすすめします。

>>子どもの薬物乱用の危険性について基本的な情報を知ろう!【基礎情報編】はこちらから

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