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学習に関するカテゴリです。お子さんが積極的に学習に取り組めるようになるためのコツ、環境づくり、専門家のアドバイスなどを中心にお届けします。

漢字苦手を克服しよう!練習のコツをご紹介!

多くのお子さんが苦手と感じる「漢字の練習」。無限に続くノートのます目に繰り返し書く……子ども時代に苦手だったという大人の方も多いのではないでしょうか。

デジタル化が進み、連絡やちょっとしたメモでもスマートフォンの変換機能に頼ることが増え、文字を手書きすることが減った現在でも、けっして避けては通れない小学生の漢字の反復学習。低学年のうちは覚えるのが楽しかった漢字も、どんどん面倒になり苦手になるお子さんが多いようです。

さらに、他教科の教科書や問題文の漢字が読めずに、漢字苦手が原因で他教科で自信喪失……「漢字が苦手」から「勉強が苦手」に発展することも。中学生、高校生でも続く漢字学習。小学生のうちに対策をしておきたいものです。

今回は漢字が苦手になる理由や、学年別の克服方法・勉強法などをご紹介。ナビゲートするのは、これまでたくさんの保護者のお悩みを解決してきた小学館集英社プロダクションの石山絵麻先生です。

漢字苦手はもったいない!モチベーションアップのチャンスととらえよう!

漢字苦手が勉強苦手につながることは先に書いた通りですが、国語の文法や読解とは異なり、覚えてしまえば確実に点数につながるのが漢字のいいところ!

どの学校でも漢字の書き取りテストは頻繁に行われるので、漢字テストがモチベーションアップのチャンスにもつながります。もちろん得点に一喜一憂する必要はありませんが、漢字の得点が確保できれば自信がつきますし、自信がつけば漢字練習が嫌いではなくなります。

また、読書もどんどんスピードアップしますし、さらに多くの漢字に触れて漢字が得意になっていくお子さんもこれまでたくさん見てきました。

それでは、漢字が苦手、勉強が苦手になる前に、子どもが漢字の練習に取り組みやすくなる方法を考えてみましょう!

漢字が苦手な理由とおすすめの練習方法

「漢字が苦手」というお子さんは、苦手な理由はいくつかありますが、代表的なのは次のようなものです。

  • ただひたすら書き続けるのはつまらないし疲れる
  • よく宿題に出されるけど時間がかかって面倒くさい
  • 練習しても覚えられない
  • いろいろな読み方があって混乱する
  • 漢字は次々に出てきて数が多すぎる

さもありなん、といったところでしょうか。漢字の宿題は決められた分量を取り組むしかないのですが、家庭学習に関しては、書き続けて疲れ果ててしまう前に漢字練習の順番を確認してみましょう。漢字の書き取りが宿題で出た場合にも下記を意識して取り組みましょう。

1、まず読み方を覚えます。

漢字は読めなければ書けません。読んで漢字の意味を理解して、熟語で使い方を覚えましょう。
訓読みはそれだけで意味の分かる漢字が多いのですが、音読みにはそれだけでは意味の分かりづらいものがあります。そういった読み方は単漢字ではなく、文の中で覚えたほうが効率が良いものです。

「後」であれば、「後ろ(うしろ)にあったお菓子を後(あと)で食べようと思ったけれど、一度に食べてしまって三日後(みっかご)に後悔(こうかい)した。」などです。

小学生向けの漢字辞典には使い方の用例が多く出ているものもありますので参考になさってください。

2、訓読みで送り仮名と一緒に書いてみましょう。

一度に書くのは5回を目安にしましょう。ゆっくり丁寧に、書き順を確かめながら書きます。止めはねや線の長さなどにも注意できればなお良いのですが、最初は欲張らずに5回書くことに集中しましょう。

面倒だと思いながら漢字だけを20回書くより気持ちよく5回書いたほうが記憶に残ります。

3、音読みは熟語で書いていきます。

習っていない漢字の部分はひらがなでもいいですし、がんばって書いてもどちらでも構いません。前出の「後」でしたら「三日後」「後かい」の形で3回ずつ書きましょう。

4、翌日覚えているかどうかを確認。覚えていたら次の漢字に進みます。

覚えていなければ3回ずつ練習してから次の漢字に進んでください。1週間で3~5字を目標に覚えましょう。週末の確認テストで正しく書くことができればOKです。1か月後、3か月後にも確認できれば完璧ですね。
途中で、お子さんの頑張りを褒めることもお忘れなく!

必見!学年別アドバイス

小学生が6年間で学ぶ漢字は1026字です。それぞれの学年で学ぶ漢字は、下記の通り学習指導要領で定められています。

  • 1年生……80字
  • 2年生……160字
  • 3年生……200字
  • 4年生……202字 
  • 5年生……193字
  • 6年生……191字

どの教科書で学んでも、各学年で新たに覚える漢字とその数は変わりません。
これらの漢字を効率よく覚えていくためには、どんな順番で練習していくかも大事なポイントですね。

1・2年生なら「仲間分け」と「形と成り立ち」がポイント

低学年のうちは、漢字を「仲間分けして覚えていく方法」と「形と成り立ちで覚える方法」がおすすめです。

仲間分けの例を挙げると、1年生では「曜日の仲間」で日月火水木金土を覚え、2年生になると「季節の仲間」で春夏秋冬を覚える、といった勉強法です。

形で覚える方法は水が流れていく様子の「川」、どっしりとしたイメージの「山」のように視覚的に覚えていく方法です。成り立ちを知ることができる覚え方で、漢字辞典によっては象形文字の説明が載っているものもありますので、お子さんの興味と一致すれば楽しく覚えることができますよ。

3・4年生は部首ごとに!同音異字にも注意。

中学年になると部首の学習も始まりますので、部首ごとに分けて「3年生で習うしんにょうの漢字は、運・進・送・連・遊・追・返 の7字だな」とまとめて覚えたり、逆につくりが同じで部首のちがう「詩・待・持・特」などを集めて覚えたりするとよいでしょう。

また、中学年から同音異字のミスが増えてきます。「きゅうこうにのった(急行に乗った)」という問題で「急行」を「休校」などと書いてしまうお子さんは、問題部分に意識がいってしまい問題文を読み飛ばしている場合が多いようです。惜しいミスなので、前後の関係をしっかり読むように伝えてあげてくださいね。

高学年は画数の多い字に注意しよう

高学年になると、画数の多い漢字がぐんと増えてきます。画数が増えると細かな部分がおろそかになりがちです。どんどん難しい漢字が増える中学生・高校生以降も意識し、正しい書き順を最初に覚えてしまいましょう。「織・職」などのように画数が多く、音読みが同じ漢字も増えてくるので、熟語で覚えて使い方をしっかり区別しましょう。

細かな部分を覚えるために、漢字を分解して呪文のように唱えて覚える方法もあります。
「態」でしたら「む(ム)つき(月)ひっひ(ヒヒ)に、こころ(心)でたい(態)」と唱えながら書いていくのです。歌うように書いていくので音楽好きなお子さんには楽しめる方法ですが、混乱してしまうことがあるので、どうしても間違えてしまう漢字に絞るのがよいでしょう。

生活の中でモチベーションを上げる工夫

日常生活の中でも漢字に親しめる機会があるとよいですね。ここでは3つご紹介します。

1年生は、漢字80字のポスターを活用しよう!

目に入るところに貼っておき、毎日眺めているだけでも漢字への意識づけができますし、「今日は何曜日かな?」「赤ってどれかな?」などと尋ねて指差しをすれば、記憶と理解が定着しますよ。

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小学生向きの漢字ゲームを活用しよう!

小学生向きの漢字ゲームや無料アプリもたくさんありますので、それらを使って遊びながら漢字のセンスを磨くのも楽しい方法ですね。

また、遊び感覚で散歩やお出かけの途中で見かける看板、お店のチラシやメニュー、一緒に読んだ本など、身の回りにあふれている漢字をお子さんと探してみるのも楽しい遊びになると思います。

生活の中の漢字に触れることはとても良い経験なので、「こんな難しい漢字も読めるの?」と驚く場面では思い切り褒めてあげてください。得意満面でもっといろいろな漢字を読んでくれますよ。

漢字検定にチャレンジ!親子受験もおすすめ!

こちらは負けず嫌いのお子さんにおすすめ。自信を持つことが目的ですから、初回は余裕のある級に狙いを定めて受験してみることをお勧めします。準備を進めるうちに合格という明確な目標ができ、漢字の学習のポイントがなんとなくわかってきます。実際に合格すれば喜びも味わえて自信がつき、さらに上の級へ挑戦したい!というモチベーションにもなるでしょう。親子で受験してみるのも励まし合うことができてよい経験だと思います。

小学館の通信教育「名探偵コナンゼミ」の学習アプローチ!

小学館の通信教育 名探偵コナンゼミの漢字学習では、「生き物に関連する漢字」「様子を表す漢字」「反対の意味の漢字」「熟語として組み合わせて使うことが多い漢字」など、毎月異なるテーマでその学年で学習する漢字に取り組むことで、関連やつながりを意識し、漢字の意味の理解を促します。

ドリルやプリントでただ書き続けるのとは違い、意図を持って学習することで学習効果のUPを目指すことができるのが、名探偵コナンゼミの漢字学習。

慣用句や四字熟語など語彙の学習も充実しているため、学習した漢字を自然と活用する機会も多数用意しています。

コナンくんたちからのアドバイスや応援を受けながら漢字を得意にしていきましょう!

著者プロフィール

石山絵麻 先生
小学館集英社プロダクション コンテンツ開発室所属。長年、教育事業に関わり、数々の保護者の学習周りのお悩みを解決してきた家庭学習のプロ。
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