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Vol.01「学習」は、こう変わる! ~2020年大学受験大変革に備える学習法とは(前編)

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(Vol.前編)予習中心の学習とアクティブ・ラーニングの真価とは—

「2020年に大学入試が変わる」というニュースは以前から流れているものの、具体的にどのような内容になるのか、試験の形がどうなるのか等は明らかになってはいない。変化の内容が不透明であるため、4年後以降に大学受験を控えている学生本人はもちろん、現在小学生の子どもを持つ親たちにも不安は広がっている。

教育にとって“最も象徴的”と言っても過言ではない大学入試。この大学入試の抜本的な改革について「社会の高度化にともなって、この改革は相当強い力で進められるはず。まさにこれからは変化の時代」と語るのは、小学校教育の第一人者として子どもたちの学力向上を実現してきた隂山英男氏だ。

<<陰山英男 プロフィール>>
立命館小学校校長顧問、立命館大学教育開発推進機構教授。安倍内閣の諮問機関「教育再生会議」委員を歴任。

単に大学入試が変わる、ということではない

大学入試に対する世間の関心は強く、ニュースで取り上げられれば注目の的となる。しかし本当に注目すべき点は、最も変えることが難しいと言われる大学入試の改革にまで踏み込み、日本の教育の心髄までを変えようとする強い力が働いているという事実だ。

「そこまで変える、立ち入る、ということは“ありとあらゆるものが大きく変わる”と捉えなければなりません。単に大学入試が変わる、ということだけではないのです。」

2020年以降は大学入試だけではなく、小・中・高等学校での勉強方法が変わる。そしてそれは家庭での学習にも影響を与える、と陰山氏は分析する。

それでは、具体的に小・中・高等学校での勉強方法や家庭学習はどう変化するのか。

===アンケート===

●あなたは2020年に予定されている大学入試改革の概要を知っていますか?

大学受験が改革されることを認知していない人が約8割。この事実が十分に世間に浸透していないことがうかがえる。

※以下も含め、掲載しているアンケートはすべてドラゼミ調べ(対象:30~40代・子どものいる男女300名)

●あなたは大学入試制度が変更されることに伴い、お子さんの教育についてどのように感じますか?

大学受験改革を知っていると回答した人間のほとんどが、漠然とではあるものの不安を感じているようだ。

「復習中心」の学習から「予習中心」の学習スタイルに

隂山氏は自身の著書『隂山式 ぜったい成績が上がる学習法』において、大学入試が根本的に変わることによって、受験勉強の中でも小論文対策におけるアクティブ・ラーニングが重要になると説いている。そしてアクティブ・ラーニングが重要視されるということは、小学校時代の家庭学習が「復習」ではなく「予習」中心に変わっていくことにつながるという。

「アクティブ・ラーニングとは、ひと言で言えば、子どもが“一人で”高度なことを学んでいく手法を身に付けるということです。復習というのは、誰かが教えてくれたこと、どこかで学んだことが前提にあります。逆に、予習にはそれがない。ないものは学習しようがありませんから、自分で新しいことを学び、どう学習したら良いのかを学ばなければなりません」

そして今後、ポイントとなってくるのはIT教育だと指摘。教科書や参考書がなくても、自分からインターネットにアクセスし、さまざまな自習学習をしなければならない時代となる。これが今後の日本の学習の方法であり、ビジネスの方法であり、生きる方法でもあると続ける。

「大学入試の内容や教育内容の変化はありますが、本質的には学習方法の変化という部分が大きい。それはまさしく復習中心から予習中心へ変わることです。今までになかった予習中心の学習が必要になる時代へと、根本的に変わるということを意味しているのです」

===アンケート===
●あなたはお子さんの教育について考えるときに、アクティブ・ラーニングという学習法を意識したことがありますか?

アクティブ・ラーニングの意味すら、ほとんど理解されていない状況だが…。

なぜ予習中心の学習に変える必要があるのか?

2016年12月に※国立大学協会は、大学入試における記述式問題に関する考え方を明らかにした。

その中でテストについては、「2020年度から実施予定の『大学入学希望者学力評価テスト』の記述式問題の出題方式において、より深く思考力・判断力・表現力等の能力を問う中~高難易度の問題のパターン1と、80字程度の短文記述式により基盤的能力を問う中難易度の問題のパターン2から構成される」と表明。

具体的に変化の方向性が示されたのは、これがほぼ初となる。

参考
http://www.janu.jp/news/files/20161208-wnew-exam-comment.pdf

「国立大学の入試問題は相当に難解な文章を、さらに高度に問うていくということです。その問題を解くためには、自分自身で長文に書かれている高度な内容をきちんと読み取り、それを元にして自分の考えをまとめなければなりません」と隂山氏は分析する。

知らない文章を読み解いて表現するというのは「未知のことに対して学ぶ・考える姿勢を変える」こと、すなわち予習学習に他ならない。

2020年の大学入試変革は、単に内容が難しくなるということではなく、学習スタイルの変更につながり、学習の質が問われることになるというのだ。

—-(後編) 基礎の次に必要なのは、応用ではなく「高度な基礎」へと続く—-

<<陰山英男>>立命館小学校校長顧問、立命館大学教育開発推進機構教授。安倍内閣の諮問機関「教育再生会議」委員を歴任。

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